自宅待機班ですが、投下します



金糸雀「じゃ、今日もプリント作ったから、みんな静かにやっててかしら〜」

そう言いプリントを配ると、教室を出て行く金糸雀。実は最近、こんなことがよく続いている。
授業の要点をまとめたプリント…というか、参考書のコピーを生徒たちに手渡し、当の金糸雀は早々に理科準備室にこもってしまうのだ。
こんな現象が何日も続いたため、生徒たちの間ではかなりの不安が広がっていた。

男子A「…この前、授業中に騒いだのがまずかったかな…」

女子B「…いや、うちのクラスだけ授業の進行が遅いって言ったのがいけなかったのかも…。」

生徒たちは、それぞれに金糸雀が真面目に授業をしなくなった原因を語り合った。
しかし真相はと言うと、何のことはない、ただ最近の株ブームで金糸雀本人も株にハマっていることが原因だった。
上手くやれば一攫千金も夢ではない…「楽してズルして」が口癖の彼女にとって株は、まさにうってつけのものであった。


金糸雀「さー、今日こそ楽してズルして大金いただきかしらー?」

そういいながら、パソコンを起動させる金糸雀。
そこへ、生徒たちが勢いよくドアを開け、生雪崩をうって金糸雀の元へ押し寄せてきた。

金糸雀「な、な、な、何なのかしらー!?しっかり自習してなきゃとダメなのかしらー!?」

男子A「先生!ごめんなさい!!」

金糸雀「へ?」

男子C「ちゃんと授業聞いてなくて、すいませんでした!今度こそちゃんと聞くんで、ちゃんと授業をやってください!」

女子D「私も、受験科目じゃないからって、テストで手を抜いてごめんなさい!私からもお願いします!」

生徒一同の反省の言葉を聞き、おもわずハッとする金糸雀
そう、反省すべきは自分だったのだ。もう少しで教師を志した理由を忘れてしまうところだった。
この子達に、自分の蓄えた知識を伝えることこそ、今最もしなくてはいけないことではないか。

「…じゃ、久しぶりに実験でもするかしらー?急いで準備するかしらー!?」

そういってあわただしく準備を始める金糸雀。
その顔は、とても輝いていた。


お金では買えない価値がある。買えるものは(ry

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